この記事のポイント
オーストラリア産業財産権情報サイト(IP Australia)への特許出願手続き、費用、審査の特徴を解説。オセアニア市場での知財戦略をPatentMatch.jpがお届けします。
内容見直し済み(2026-05-28) このページの費用・軽減制度・PCT国際出願・年金に関する情報は、制度改定や為替・個別条件で変わります。意思決定前に、産業財産権関係手数料ページ、料金軽減・免除制度、PCT国際出願制度等の一次情報で最新条件を確認することを推奨します。本文中の金額は断定ではなく、確認項目を理解するための参考整理です。
一次情報チェック中(2026-05-28追記) 法改正・施行日・制度変更は、成立法・公布日・施行日・関連解説等で照合できる範囲に限って記載します。 主な参照先: 法令改正情報 / e-Gov特許法
オーストラリアは資源・エネルギー、バイオテクノロジー、医療機器、農業技術など多くの分野で高い技術力を持ち、アジア太平洋地域の重要市場です。日本企業にとっても、オーストラリアでの特許取得は事業保護と市場参入の両面で大きな意味を持ちます。
本ガイドでは、IP Australia(オーストラリア知的財産庁)への出願手続き、審査プロセス、費用を解説します。
一次情報チェックポイント(2026-05-28確認)
費用・軽減制度・PCT国際出願・年金は、年度改定・請求項数・出願形態・国際調査機関・為替・個別要件によって変わります。この記事では断定的な金額表ではなく、次の一次情報で確認すべき項目を整理します。
| 確認項目 | 一次情報 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 国内出願・審査請求・特許料(年金) | 産業財産権関係手数料ページ | 出願料、審査請求料、請求項数別加算、年次別特許料 |
| 軽減・免除制度 | 料金軽減・免除制度 | 対象者、対象手続、軽減割合、申請期限・必要書類 |
| 中小・ベンチャー向け軽減 | 中小・ベンチャー企業向け料金軽減措置 | 自社が対象に入るか、どの費用が軽減されるか |
| PCT国際出願 | PCT国際出願制度 / WIPO PCT | 国際段階・国内移行期限・手数料・国際調査/予備審査 |
| 公的相談 | INPIT 知財総合支援窓口 | 無料相談、専門家支援、地域窓口 |
この記事内に過去の金額例・割合例・ケース別試算が残る場合も、最終判断には使わず、上記リンク先で最新の表・条件を確認することを推奨します。
オーストラリア特許制度の概要
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 管轄機関 | IP Australia |
| 特許存続期間 | 出願日から20年(医薬品は最大25年) |
| 審査方式 | 審査請求制(出願日から5年以内) |
| 加盟条約 | PCT、パリ条約、TRIPS協定、CPTPP |
| 公開 | 出願日から18ヶ月後 |
| 言語 | 英語 |
特許の種類
| 種類 | 保護期間 | 概要 |
|---|---|---|
| 標準特許(Standard Patent) | 出願日から20年 | 通常の発明特許 |
| イノベーション特許 | 廃止(2021年8月25日以降の新規出願不可) | 旧制度の短期特許 |
イノベーション特許は2021年に廃止されました。現在は標準特許のみが利用可能です。
出願ルートと手続き
出願ルート
- 直接出願 — IP Australiaに英語で出願
- パリ条約ルート — 優先権主張(12ヶ月以内)
- PCTルート — 国内移行期限は優先日から31ヶ月
必要書類
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 願書 | 英語 |
| 完全明細書 | 英語(請求の範囲を含む) |
| 要約書 | 英語 |
| 図面 | 必要に応じて |
| 優先権書類 | DAS利用可 |
| 宣言書 | 発明者の特定 |
英語で出願できるため、翻訳コストが不要な点は日本企業にとって大きなメリットです。
審査の特徴
審査請求と審査期間
審査請求期限は出願日から5年以内と比較的長く設定されています。審査請求後の平均処理期間は約12〜18ヶ月です。
早期審査制度
以下の場合、早期審査を申請できます(追加料金不要)。
- 出願人がオーストラリアで発明を実施中または実施予定
- 第三者がオーストラリアで発明を実施中
- 出願人が国際調査報告を受領済み
受理期間(Acceptance Deadline)
審査において最初のオフィスアクション(審査報告書)が発行された後、出願人には12ヶ月の受理期間が与えられます。この期間内に各拒絶理由を解消し、受理(Acceptance)を得る必要になる場合があります。
進歩性の判断基準
一次情報で確認したい制度変更(Raising the Bar Act)により、オーストラリアの進歩性の判断基準は厳格化されました。「当業者にとって自明でない」という判断は、国際的な先行技術文献の組み合わせに基づいて行われます。
費用の目安
金額・割合・期限の詳細は制度改定や個別条件で変わるため、上記リンク先で最新の表・条件を確認することを推奨します。(確認日: 2026-05-28) 金額・割合・期限の詳細は制度改定や個別条件で変わるため、上記リンク先で最新の表・条件を確認することを推奨します。(確認日: 2026-05-28) 受理料 250 約24,500円 金額・割合・期限の詳細は制度改定や個別条件で変わるため、上記リンク先で最新の表・条件を確認することを推奨します。(確認日: 2026-05-28)
※AUD 1 ≒ 約98円(2026年3月時点の概算)。SME向けの割引制度あり。
日本企業が注意すべきポイント
12ヶ月の受理期間
最初の審査報告書の発行から12ヶ月以内に各拒絶理由を解消する必要になる場合があります。米国や日本のように複数回のオフィスアクションを経るプロセスとは異なり、時間的制約が厳しいため、迅速な対応が求められます。
PPH(特許審査ハイウェイ)の活用
日本とIP Australiaの間にはPPHが運用されており、日本での審査結果を活用した早期審査が可能です。
医薬品の特許期間延長
医薬品(農薬を含む)については、規制当局の承認に要した期間に応じて、最大5年間の特許期間延長が認められる場合があります。最長期間や適用可否は、IP Australia等の一次情報と個別条件を確認する必要になる場合があります。
CPTPP加盟国としてのメリット
日本とオーストラリアはともにCPTPPに加盟しており、知財保護の水準が高い水準で調和されています。
まとめ
オーストラリアは英語出願が可能で審査品質も高く、日本企業にとって取り組みやすい特許制度を持つ国です。12ヶ月の受理期間という時間的制約には注意が必要ですが、PPHの活用や早期審査制度を使えば効率的に権利化を検討できる場合があります。PatentMatch.jpでは、オセアニア地域の知財動向を引き続きお届けします。