この記事のポイント
CO2回収・貯留・利用(CCUS)技術の特許動向を徹底分析。DAC技術からブルーカーボンまで、脱炭素知財の全体像をPatentMatch.jpがお届けします。
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、CO2を回収・貯留・利用するCCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage)技術の特許出願が急増しています。2026年現在、CCUS関連の特許は累計で5万件を超え、エネルギー企業からスタートアップまで幅広いプレイヤーが参入しています。
CCUS特許の技術カテゴリー
CO2回収技術
CO2の回収方法は大きく3つに分類されます。
- ポストコンバッション(燃焼後回収):排ガスからCO2を分離。アミン系溶媒を使った化学吸収法が主流
- プレコンバッション(燃焼前回収):燃料を水素とCO2に変換し、CO2を回収
- DAC(Direct Air Capture):大気中から直接CO2を回収。Climeworks、Carbon Engineeringなどが先行
特にDACは2023年以降の出願が急増しており、吸着剤の効率化やエネルギー消費削減に関する特許が中心です。
CO2貯留技術
地中貯留(CCS)に関する特許は、安全性モニタリング、漏洩検知、地層評価の3分野で出願が集中しています。海底貯留に関する特許も増加傾向にあり、ノルウェーのEquinorが先行しています。
CO2利用技術(CCU)
回収したCO2を原料として利用する技術が注目を集めています。
- 合成燃料(e-fuel):CO2と水素からメタノールや合成ガソリンを製造
- 建材利用:コンクリートにCO2を固定化
- 化学品原料:ポリカーボネートやポリウレタンの原料として活用
主要プレイヤーの知財戦略
石油メジャー
ExxonMobil、Shell、TotalEnergiesは、既存の石油ガス技術を応用したCCS関連特許で強固なポジションを築いています。特にExxonMobilは世界最大のCCS特許ポートフォリオを保有しています。
テックスタートアップ
Climeworks(スイス)はDAC技術で200件超の特許を保有。CarbonCure(カナダ)はコンクリートへのCO2固定化技術でニッチ市場をリードしています。
日本企業の位置
三菱重工業はアミン系CO2回収技術で世界トップクラスの特許を保有。東芝は膜分離技術、JFEスチールは製鉄プロセスでのCO2回収で独自のポジションを持っています。
注目すべき出願トレンド
- DAC+再エネの統合特許:太陽光・風力で駆動するDAC装置の出願が増加
- バイオCCS(BECCS):バイオマス燃焼とCCSを組み合わせたネガティブエミッション技術
- 海洋ベースのCDR:海水からCO2を除去するアプローチの特許が2025年から急増
日本企業への提言
CCUS分野は技術開発段階から商業化段階への移行期にあります。今のうちに基本特許を押さえることで、将来の市場拡大時に有利なポジションを確保できます。PatentMatch.jpの特許分析ツールで、自社技術の知財ポジションをぜひ確認してください。