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早期審査制度の活用法 — 特許を最速で取得する方法

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この記事のポイント

特許庁の早期審査制度を活用して特許を最速で取得する方法を解説。申請要件、手続きの流れ、スーパー早期審査との違い、活用すべきケースを紹介します。

早期審査制度とは

通常の特許審査は、審査請求から一次審査結果(ファーストアクション)が届くまで平均約10ヶ月かかります。早期審査制度を利用すると、この期間を約2〜3ヶ月に短縮できます。

事業化を急ぐ企業やスタートアップにとって、特許の早期取得は市場での競争優位を確保するための重要な戦略です。

早期審査の種類と比較

制度審査期間目安追加費用申請の難易度
通常審査約10ヶ月なし
早期審査約2〜3ヶ月無料低い
スーパー早期審査約1ヶ月無料高い

早期審査の申請要件(いずれか1つ該当すればOK)

  1. 実施関連出願: 出願人が発明を実施または2年以内に実施予定
  2. 外国関連出願: 対応する外国出願がある
  3. 中小企業・個人の出願: 中小企業基本法に定める中小企業または個人
  4. グリーン関連出願: 省エネ・環境技術に関する発明
  5. 震災復興関連出願: 東日本大震災の被災地域に関連する出願
  6. アジア拠点化関連出願: アジア拠点化推進に関する出願

スーパー早期審査の申請要件(全て該当が必要)

  • 出願人が発明を実施済みまたは実施準備中
  • 対応する外国出願がある
  • 全請求項について先行技術調査結果を提出

申請手続きの流れ

ステップ1: 申請書類の準備

早期審査に関する事情説明書を作成します。該当する要件を明記し、根拠資料を添付します。

ステップ2: 事情説明書の提出

審査請求と同時、または審査請求後に提出可能です。電子出願(インターネット出願)で提出できます。

ステップ3: 適用判断

特許庁が事情説明書を審査し、早期審査の対象とするか判断します。通常1〜2週間で結果が通知されます。

ステップ4: 審査開始

早期審査の対象と認められると、優先的に審査が行われ、約2〜3ヶ月でファーストアクションが届きます。

早期審査を活用すべきケース

積極的に活用すべき場面

  • 製品の発売前に権利化したい: 製品ローンチに合わせて「特許取得済み」を訴求
  • 投資家へのアピール: 特許取得済みの事実がファンディングに有利
  • 模倣品対策を急ぐ: 早期に権利化して警告・差止請求を可能にする
  • ライセンス交渉の材料: 特許権が確定していることで交渉力が向上

注意点

  • 早期審査は審査の「順番」が早まるだけで、審査基準は通常と同じ
  • 拒絶理由通知が来た場合の応答期限は通常と同じ(60日)
  • 早期審査の申請が却下されても通常審査の順番には影響しない

実務上のコツ

ポイント詳細
中小企業要件が最も使いやすい証明書類が簡便で適用率が高い
先行技術調査結果を添付する審査官の心証が良くなり、審査がスムーズに
外国出願があれば積極活用PCT出願でも要件を満たす
事情説明書は具体的に書く実施状況や実施予定を詳細に記載

早期審査制度は追加費用がかからない非常に有利な制度です。要件に該当する場合は積極的に活用し、ビジネスの速度に合わせた知財戦略を実現しましょう。

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