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EV用バッテリー分野の特許出願動向を2026年最新データで分析。全固体電池、ナトリウムイオン電池など次世代技術の知財競争をPatentMatch.jpがお届けします。
EV(電気自動車)市場の急拡大に伴い、バッテリー技術をめぐる特許出願が世界的に加速しています。2026年現在、バッテリー関連特許は年間10万件を超え、自動車メーカー・電池メーカー・素材メーカーが三つ巴の知財競争を繰り広げています。
バッテリー特許の出願動向
出願件数の推移
2020年から2025年にかけて、EV用バッテリー関連の特許出願は年平均18%の成長を記録しました。特に中国からの出願が全体の55%を占め、日本(15%)、韓国(12%)、欧州(10%)、米国(8%)と続きます。
技術分野別の内訳
主要な技術カテゴリーとその出願比率は以下の通りです。
- 正極材料(28%):ニッケルリッチ系、リン酸鉄リチウム(LFP)
- 負極材料(18%):シリコン系、リチウム金属
- 電解質(22%):固体電解質、ゲル電解質
- セル設計・パック技術(15%):CTP(Cell-to-Pack)、CTC(Cell-to-Chassis)
- 製造プロセス(12%):ドライ電極製造、レーザー溶接
- リサイクル(5%):湿式製錬、直接再生
主要プレイヤーの知財ポジション
日本勢
トヨタは全固体電池関連で1,500件超の特許を保有し、世界トップの出願数を誇ります。パナソニックはテスラとの協業で培った円筒型セル技術に強みを持ち、4680セル関連の特許群を構築しています。
中国勢
CATLは2025年だけで8,000件以上の特許を出願し、ナトリウムイオン電池やコンデンスドバッテリーなど次世代技術でも攻勢をかけています。BYDはブレードバッテリー(LFP系)の安全性技術で独自のポジションを確立しました。
韓国勢
LGエナジーソリューション、サムスンSDI、SKオンの3社は、ハイニッケル正極材料とシリコン負極の組合せ技術で重点的に出願しています。
注目すべき技術トレンド
全固体電池
全固体電池は2026年の量産開始が近づき、硫化物系・酸化物系・ポリマー系の3つのアプローチで特許競争が激化しています。特に界面抵抗の低減技術や大面積セルの製造技術が出願のホットスポットです。
ナトリウムイオン電池
レアメタルに依存しないナトリウムイオン電池は、コスト面の優位性から低価格EVへの搭載が進んでいます。中国メーカーが出願の80%以上を占めており、日本企業の参入余地はまだ残されています。
バッテリーリサイクル
EU電池規則の施行により、リサイクル技術の重要性が急上昇。使用済み電池からの材料回収率を高める技術や、電池パスポート(トレーサビリティ)関連の出願が増加中です。
日本企業への示唆
EV用バッテリー分野で日本企業が取るべき戦略は以下の3点です。
- 全固体電池での先行優位を活かす:量産技術・品質管理に関する特許で差別化
- 素材分野での強みを維持:正極・負極の新素材開発で知財ポジションを確保
- リサイクル技術への投資:規制強化を見据えた先行出願
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