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FTO(Freedom to Operate)調査の実施方法と実務ポイントをPatentMatch.jpがお届けします。
FTO調査とは
FTO(Freedom to Operate)調査は、自社の製品や技術が他社の特許権を侵害しないかを事前に確認する調査です。新製品の開発や新市場への参入前に実施することで、特許侵害リスクを回避できます。
FTO調査が必要な場面
| 場面 | 重要度 |
|---|---|
| 新製品の上市前 | 必須 |
| 新技術の実用化前 | 必須 |
| 海外市場への参入時 | 非常に高い |
| M&A・投資の検討時 | 非常に高い |
| 共同研究の開始前 | 高い |
FTO調査の実施手順
Step 1: 調査対象の特定
- 対象製品・技術の特定
- 対象国の決定
- 調査範囲の設定
Step 2: 特許検索
- 特許データベースでの網羅的な検索
- キーワード検索とIPC/CPC分類検索の併用
- 出願中の公開公報も対象に含める
Step 3: 関連特許の抽出
検索結果から、技術的に関連する特許をスクリーニングします。
Step 4: クレーム解析
抽出した特許のクレームを1件ずつ分析します。
| 分析項目 | 内容 |
|---|---|
| 文言侵害 | クレームの各構成要件との一致確認 |
| 均等侵害 | 均等論の適用可能性の検討 |
| 権利の有効性 | 年金未納、無効理由の有無 |
| 残存期間 | 権利がいつまで有効か |
Step 5: リスク評価と対策
| リスクレベル | 対策 |
|---|---|
| 高(文言侵害の可能性大) | 設計変更またはライセンス交渉 |
| 中(均等侵害の可能性) | 法的意見書の取得 |
| 低(侵害の可能性小) | 監視を継続 |
FTO調査の費用と期間
- 簡易調査: 50〜100万円、2〜4週間
- 詳細調査: 200〜500万円、1〜3ヶ月
- 海外を含む包括調査: 500万円以上、3〜6ヶ月
よくある失敗と対策
- 対象国の漏れ: 製造国・販売国の両方を調査対象に
- 出願中公報の見落とし: 公開前の出願は発見できないリスクあり
- 定期的な更新不足: 初回調査だけでなく定期的な見直しが必要
- 社内共有の不足: 調査結果を開発部門と共有する
FTO調査は「保険」としての投資です。侵害訴訟の損害賠償額と比較すれば、調査費用は十分に合理的です。