この記事のポイント
水素燃料電池とグリーン水素製造技術の特許動向をPatentMatch.jpがお届けします。
グリーン水素技術の特許競争
水素は脱炭素社会のエネルギーキャリアとして世界中で注目されています。特に再生可能エネルギー由来の「グリーン水素」に関する特許出願は、過去5年間で2.5倍に増加しました。
水素バリューチェーンの特許動向
| 領域 | 技術テーマ | 主要出願企業 |
|---|---|---|
| 水素製造 | 水電解(PEM, SOEC) | Siemens Energy, 旭化成 |
| 水素貯蔵 | 高圧タンク、液化、有機ハイドライド | トヨタ, 千代田化工 |
| 水素輸送 | パイプライン、アンモニア変換 | 川崎重工, IHI |
| 燃料電池 | PEFC, SOFC | トヨタ, Hyundai |
| 水素利用 | 水素還元製鉄、水素発電 | 日本製鉄, 三菱重工 |
トヨタの燃料電池特許開放
トヨタは2015年に約5,680件の燃料電池関連特許を無償開放しました。この戦略は水素社会の早期実現を目指すものですが、特許の価値を毀損するリスクもあります。
注目の技術トレンド
1. PEM型水電解装置
プロトン交換膜(PEM)型は応答性が高く、再エネとの親和性に優れています。イリジウム使用量削減に関する特許が増加中です。
2. SOEC(固体酸化物型電解)
高温で動作するSOECは高効率ですが、耐久性が課題です。劣化抑制に関する特許が注目されています。
3. 有機ハイドライド
千代田化工が開発したSPERA水素は、常温常圧で水素を輸送できる技術です。MCH(メチルシクロヘキサン)関連の特許群を構築しています。
知財戦略のポイント
- バリューチェーン全体を見る: 製造・貯蔵・利用の各段階で出願
- 素材特許: 触媒材料や膜材料は日本企業の強み
- グリーン特許の早期審査: 各国のグリーン技術早期審査制度を活用
- 国際出願: 水素政策が活発な欧州・豪州・中東への出願を検討
水素経済は2050年に1兆ドル市場になると予測されています。知財ポジションの確立が競争力を左右します。