この記事のポイント
イスラエルでの特許出願手続き、費用、審査の特徴を解説。スタートアップ大国の知財事情と日本企業が押さえるべきポイントをPatentMatch.jpがお届けします。
内容見直し済み(2026-05-28) このページの費用・軽減制度・PCT国際出願・年金に関する情報は、制度改定や為替・個別条件で変わります。意思決定前に、産業財産権関係手数料ページ、料金軽減・免除制度、PCT国際出願制度等の一次情報で最新条件を確認することを推奨します。本文中の金額は断定ではなく、確認項目を理解するための参考整理です。
一次情報チェック中(2026-05-28追記) 本記事は制度・費用・実務上の一般情報を含みます。最新条件や個別判断は一次情報や専門家の確認も併用してください。 主な参照先: 法令改正情報 / e-Gov特許法 / 手数料ページ
イスラエルは人口約950万人の小国ながら、人口当たりのスタートアップ数と特許出願数で世界トップクラスを誇る「スタートアップ・ネイション」です。サイバーセキュリティ、AI、医療機器、農業テクノロジー(AgriTech)などの分野で世界をリードしており、日本企業との技術提携やM&Aも活発に行われています。
本ガイドでは、イスラエル産業財産権情報サイト(ILPO: Israel Patent Office)への出願手続きと知財環境について解説します。
一次情報チェックポイント(2026-05-28確認)
費用・軽減制度・PCT国際出願・年金は、年度改定・請求項数・出願形態・国際調査機関・為替・個別要件によって変わります。この記事では断定的な金額表ではなく、次の一次情報で確認すべき項目を整理します。
| 確認項目 | 一次情報 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 国内出願・審査請求・特許料(年金) | 産業財産権関係手数料ページ | 出願料、審査請求料、請求項数別加算、年次別特許料 |
| 軽減・免除制度 | 料金軽減・免除制度 | 対象者、対象手続、軽減割合、申請期限・必要書類 |
| 中小・ベンチャー向け軽減 | 中小・ベンチャー企業向け料金軽減措置 | 自社が対象に入るか、どの費用が軽減されるか |
| PCT国際出願 | PCT国際出願制度 / WIPO PCT | 国際段階・国内移行期限・手数料・国際調査/予備審査 |
| 公的相談 | INPIT 知財総合支援窓口 | 無料相談、専門家支援、地域窓口 |
この記事内に過去の金額例・割合例・ケース別試算が残る場合も、最終判断には使わず、上記リンク先で最新の表・条件を確認することを推奨します。
イスラエル特許制度の概要
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 管轄機関 | Israel Patent Office(ILPO) |
| 特許存続期間 | 出願日から20年 |
| 審査方式 | 実体審査あり(自動的に審査開始) |
| 加盟条約 | PCT、パリ条約、TRIPS協定 |
| 公開 | 出願日から18ヶ月後 |
| 言語 | ヘブライ語、アラビア語、英語 |
審査請求不要
イスラエルでは審査請求が不要で、出願後に自動的に審査が開始されます。日本や韓国のように審査請求を別途行う必要がありません。
出願ルートと手続き
出願ルート
- 直接出願 — ILPOに英語またはヘブライ語で出願
- パリ条約ルート — 優先権主張(12ヶ月以内)
- PCTルート — 国内移行期限は優先日から30ヶ月
必要書類
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 願書 | ヘブライ語または英語 |
| 明細書・請求の範囲 | 英語で出願可 |
| 要約書 | 英語で出願可 |
| 図面 | 必要に応じて |
| 優先権証明書 | DAS利用可 |
| 委任状 | 現地代理人委任時 |
| 発明者宣言書 | 発明者の特定 |
英語で出願できるため、日本企業にとっての翻訳負担は比較的軽微です。
審査の特徴
審査期間
ILPOの平均審査期間は約24〜36ヶ月です。審査官の数が限られているため、技術分野によっては長くなる場合があります。
早期審査(Expedited Examination)
以下の条件で早期審査を申請できます。
| 条件 | 概要 |
|---|---|
| PPH | 日本など他国の審査結果に基づく |
| 出願人の年齢 | 60歳以上 |
| 健康上の理由 | 重大な疾病 |
| 第三者による侵害 | 侵害行為の証拠提示 |
進歩性の判断
イスラエルの進歩性の判断基準は欧州寄りで、「当業者にとって自明であるかどうか」を、引用文献の組み合わせの動機付けを含めて厳格に審査します。
ソフトウェア・ビジネスモデル特許
イスラエルでは、技術的貢献を伴うソフトウェア発明は特許適格性が認められます。純粋なビジネスモデルや抽象的アイデアは対象外ですが、サイバーセキュリティやAIなどの技術的実装を伴う発明は積極的に保護されています。
費用の目安
金額・割合・期限の詳細は制度改定や個別条件で変わるため、上記リンク先で最新の表・条件を確認することを推奨します。(確認日: 2026-05-28) 金額・割合・期限の詳細は制度改定や個別条件で変わるため、上記リンク先で最新の表・条件を確認することを推奨します。(確認日: 2026-05-28) 公開料 769 約31,000円 金額・割合・期限の詳細は制度改定や個別条件で変わるため、上記リンク先で最新の表・条件を確認することを推奨します。(確認日: 2026-05-28) 年金(1〜6年) 不要 — 金額・割合・期限の詳細は制度改定や個別条件で変わるため、上記リンク先で最新の表・条件を確認することを推奨します。(確認日: 2026-05-28)
金額・割合・期限の詳細は制度改定や個別条件で変わるため、上記リンク先で最新の表・条件を確認することを推奨します。(確認日: 2026-05-28)
イスラエル知財の特殊事情
スタートアップエコシステムと知財
イスラエルのスタートアップは、グローバル企業への技術ライセンスやM&Aによるエグジットを前提としているケースが多く、特許ポートフォリオの構築が企業価値に直結します。日本企業がイスラエルのスタートアップと提携・買収する際には、以下の知財デューデリジェンスが重要です。
- 特許の有効性と権利範囲の確認
- 発明者の権利帰属(雇用契約の確認)
- 政府助成金(OCS/IIA)に基づく制約の有無
国家助成金と知財の制約
イスラエル・イノベーション庁(IIA、旧OCS)から助成金を受けた技術には、知財の海外移転に制限がかかります。助成金で開発された技術の製造をイスラエル国外に移転する場合、ロイヤリティの支払いやIIAの承認が必要です。M&Aの際にはこの点の確認が不可欠です。
軍事技術との関連
イスラエルでは軍事技術から民間転用(Dual-use)される技術が多く、一部の技術には輸出規制がかかる場合があります。
日本企業が注意すべきポイント
- IIA助成金の制約を確認 — 買収対象企業が政府助成を受けていないか事前チェック
- 発明者帰属の確認 — イスラエルの雇用法における発明者の権利に注意
- PPHの活用 — 審査期間の短縮に有効
- ソフトウェア特許の記載方針 — 技術的貢献を明確にした明細書の作成
- M&A時の知財DD — 特許ポートフォリオの評価が取引価格に直結
まとめ
イスラエルはスタートアップ発の革新的技術が集積する特異な市場であり、日本企業にとってはM&Aや技術提携の対象として重要性が高まっています。特許制度自体は英語で出願可能でシンプルですが、IIA助成金の制約など独自の注意点があります。PatentMatch.jpでは、イスラエルの知財・スタートアップ動向を引き続きお届けします。