特許活用ガイド

AI関連発明の審査基準2026

約3分で読める

この記事のポイント

2026年時点でのAI関連発明の審査基準を解説。特許庁の最新事例集を踏まえ、生成AI・大規模言語モデル・強化学習の特許適格性と出願戦略を紹介します。

はじめに

AI関連特許の出願は年々増加し、2025年の日本特許庁への出願件数は前年比約20%増となりました。特許庁は審査基準の事例集を随時更新しており、生成AIや大規模言語モデル(LLM)に関する新たな事例も追加されています。本記事では、2026年時点での最新審査基準を解説します。

AI関連発明の特許適格性

基本的な考え方

日本の特許法では、AI関連発明は「ソフトウェア関連発明」として審査されます。特許適格性が認められるためには、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を利用して具体的に実現されていることが必要です。

特許適格性の判断基準

判断要素特許適格あり特許適格なし
技術的課題との関連具体的な技術課題を解決抽象的な概念の提示のみ
ハードウェア資源の利用CPU・メモリ等の具体的活用ソフトウェアの概念的記載のみ
技術的効果定量的な改善効果あり単なるデータ処理の自動化

生成AI関連の審査動向

大規模言語モデル(LLM)

LLM自体のアーキテクチャ(Transformerなど)はすでに公知技術ですが、特定の技術課題に対する応用は特許対象となり得ます。

特許化のポイント:

  • 特定ドメインに特化したファインチューニング手法
  • ハルシネーション(幻覚)を低減する技術的手段
  • 推論コストを削減するモデル圧縮・量子化技術

画像生成AI

拡散モデルの改良やControlNetのような制御技術、高速サンプリング手法などが特許出願の対象となっています。

クレーム記載の実務ポイント

推奨されるクレーム構成

  1. 学習装置クレーム: 学習データの前処理、モデル構築、パラメータ最適化
  2. 推論装置クレーム: 学習済みモデルを用いた推論処理
  3. 学習方法クレーム: 学習プロセスの手順
  4. プログラムクレーム: コンピュータに実行させる処理

記載上の注意

  • 技術的課題の明確化: 「精度向上」だけでなく、具体的な問題設定を記載
  • 入出力データの明示: 学習データの種類と出力結果を具体的に記載
  • 比較実験: 従来手法との定量的な比較データを実施例に含める

拒絶理由への対応

AI関連出願で多い拒絶理由と対応策を示します。

  • 進歩性欠如: 公知のモデルとの技術的差異を実験データで明確に示す
  • 記載不備: 技術的手段とその効果の因果関係を具体的に記載する
  • 発明該当性: ハードウェア資源との連携を補正で明確にする

まとめ

AI関連発明の特許化には、技術的課題と効果の明確化、ハードウェア資源の利用の記載、定量的な比較データの提示が重要です。生成AI分野は急速に進化しているため、出願のタイミングも権利化の成否を左右します。

関連記事

他の記事も読んでみませんか?

PatentMatch.jpでは、特許活用に関する実践的な情報を多数掲載しています。