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韓国特許出願ガイド — KIPOへの申請と審査の特徴

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この記事のポイント

韓国特許庁(KIPO)への出願手続き、費用、審査の特徴を詳しく解説。韓国での特許取得を目指す日本企業向けの実践ガイドです。

韓国は半導体、ディスプレイ、電池、自動車など日本企業と競合・協業する分野が多く、特許出願件数で世界第4位に位置する知財大国です。韓国特許庁(KIPO: Korean Intellectual Property Office)は審査の質とスピードの両面で国際的に高い評価を受けています。

本ガイドでは、KIPOへの出願手続き、審査プロセス、費用、および日本企業が押さえるべきポイントを解説します。


韓国特許制度の概要

基本情報

項目内容
管轄機関韓国特許庁(KIPO)
特許存続期間出願日から20年
審査方式審査請求制(出願日から3年以内)
加盟条約PCT、パリ条約、TRIPS協定、PLT
公開出願日から18ヶ月後に公開
言語韓国語(翻訳提出期限あり)

出願ルート

  1. 直接出願 — KIPOに韓国語で直接出願
  2. パリ条約ルート — 優先権主張(12ヶ月以内)
  3. PCTルート — 国内移行期限は優先日から31ヶ月

審査の特徴 — 世界最速レベルのスピード審査

通常審査

KIPOの通常審査の平均期間は約14〜16ヶ月と、主要特許庁の中でも速い部類に入ります。

優先審査(Accelerated Examination)

以下の条件に該当する場合、優先審査を申請でき、審査期間を平均4〜6ヶ月に短縮できます。

優先審査の対象概要
第三者が実施している発明権利化の緊急性がある場合
外国出願を伴う発明日本等で先に出願済みの場合
グリーンテクノロジー環境関連技術
AI・IoT関連発明第4次産業革命技術
中小企業・スタートアップ企業規模による優遇

超迅速審査(Super Accelerated Examination)

一定の要件を満たすと、最短2ヶ月で最初の審査結果を受け取れる超迅速審査も利用可能です。


出願手続きと必要書類

必要書類

書類備考
願書出願人・発明者情報
明細書(韓国語)PCT経由の場合、翻訳提出期限あり
特許請求の範囲韓国語
要約書韓国語
図面必要に応じて
優先権証明書DAS(デジタルアクセスサービス)利用可
委任状現地代理人委任時

韓国語翻訳のポイント

PCT国内移行の場合、国内移行時に韓国語翻訳を提出する必要があります。翻訳の正確性は権利範囲に直結するため、特許翻訳の専門家を活用することを推奨します。日韓間では技術用語に共通点が多いものの、法律用語は異なる場合があるため注意が必要です。


費用の目安

項目費用(KRW)日本円概算
出願料46,000約5,000円
審査請求料(基本)143,000 + 44,000×請求項数約16,000円〜
優先審査追加料200,000約22,000円
登録料(1〜3年)年15,000 + 13,000×請求項数約3,000円〜/年

※KRW 1 ≒ 約0.11円(2026年3月時点の概算)


PPH(特許審査ハイウェイ)の活用

日本とKIPOの間には**PPH(Patent Prosecution Highway)**が運用されています。日本の特許庁で特許可能と判断された請求項に基づいて韓国でも早期審査を受けられるため、日本で先に審査結果を得てから韓国出願を行う戦略が有効です。

PPH利用のメリット

  • 審査期間の短縮(平均2〜4ヶ月)
  • 特許査定率の向上(通常審査比で約10〜15%向上)
  • 審査対応コストの削減

日本企業が注意すべきポイント

  1. 審査請求期限は3年 — 日本と同じだが、PCTからの移行時に計算を間違えやすい
  2. 翻訳品質が権利範囲を左右する — 韓国語翻訳の正確性に十分注意
  3. 実用新案との使い分け — 韓国では実用新案登録も活発に利用されている
  4. PPHの積極活用 — 日本での審査結果を韓国に活かす戦略が効果的
  5. 無効審判への備え — 韓国特許審判院(IPTAB)での無効審判は比較的頻繁に行われる

まとめ

韓国は地理的にも文化的にも日本に近く、多くの産業で直接的な競合関係にあります。KIPOの審査スピードの速さとPPHの活用は、日本企業にとって大きなメリットです。韓国での知財権確保は、アジア市場全体での競争力に直結します。PatentMatch.jpでは、韓国特許の最新動向を継続的にフォローしていきます。

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