特許活用ガイド

特許クレームの種類と書き分け

約3分で読める

この記事のポイント

特許クレームの種類と書き分けを解説。物のクレーム・方法のクレーム・用途クレームなど、各類型の特徴と使い分けのポイントを実例とともに紹介します。

はじめに

特許クレーム(請求項)は特許権の範囲を決定する最重要パートです。同じ発明でもクレームの書き方によって保護範囲が大きく変わります。本記事では、クレームの主要な類型と、発明の種類に応じた書き分けのポイントを解説します。

クレームの基本類型

物(装置)のクレーム

発明を「物」として記載するクレームです。装置、デバイス、システム、組成物などが該当します。

メリット: 製造・使用・販売・輸入のすべてに権利が及ぶ 記載例: 「〇〇部と、△△部と、□□部とを備える、データ処理装置。」

方法のクレーム

発明を「工程(ステップ)」として記載するクレームです。

メリット: プロセス全体を保護できる 記載例: 「〇〇するステップと、△△するステップと、□□するステップとを含む、データ処理方法。」

製造方法のクレーム

物の製造方法を記載するクレームです。日本では「その方法により製造された物」にも権利が及びます(プロダクト・バイ・プロセス・クレーム)。

プログラムのクレーム

コンピュータに処理を実行させるプログラムとして記載するクレームです。ソフトウェア発明で重要です。

記載例: 「コンピュータに、〇〇する機能と、△△する機能とを実現させるプログラム。」

クレームの構造

ジェプソンクレーム

前提部(公知部分)と特徴部(新規部分)を明確に分けて記載する形式です。

構成部分役割記載のポイント
前提部公知の技術要素従来技術に存在する要素を列挙
特徴部新規な技術要素「〜を特徴とする」で始める

マーカッシュクレーム

化学分野で使用される形式で、選択的な構成要素を「AまたはBから選択される」と記載します。

書き分けのポイント

発明の種類別の推奨クレーム

発明の種類推奨クレーム構成
ハードウェア装置装置クレーム+方法クレーム
ソフトウェア装置+方法+プログラムの3面
化学・材料組成物クレーム+製造方法クレーム
ビジネスモデルシステムクレーム+方法クレーム

権利範囲を広げるテクニック

  • 上位概念化: 「CPU」ではなく「処理部」「演算装置」と記載
  • 機能的記載: 具体的な構成ではなく機能で記載する
  • 複数カテゴリ: 物と方法の両方でクレームを作成する

審査対応を見据えた工夫

独立クレームを広く書き、従属クレームで段階的に限定を加えることで、拒絶理由通知への対応幅を確保します。

まとめ

クレームの書き分けは特許の権利範囲を最大化するための技術です。発明の種類に応じた適切なクレーム類型の選択と、上位概念化・機能的記載・多面的保護の組み合わせが、強い特許を生み出します。

関連記事

他の記事も読んでみませんか?

PatentMatch.jpでは、特許活用に関する実践的な情報を多数掲載しています。