この記事のポイント
特許出願から登録までの審査フローを完全解説。審査請求、拒絶理由通知への対応、早期審査制度まで、特許取得に必要な知識をPatentMatch.jpがお届けします。
特許を取得するには、出願してから特許庁の審査を経て登録に至るまで、複数のステップを踏む必要があります。本記事では、特許審査の全体像を時系列で解説し、各段階で知っておくべき実務上のポイントを整理します。
特許審査の全体フロー
特許出願から登録までの基本的な流れは以下のとおりです。
| ステップ | 手続き | 期限・目安 |
|---|---|---|
| 1 | 特許出願 | — |
| 2 | 方式審査 | 出願後数週間 |
| 3 | 出願公開 | 出願日から1年6ヶ月後 |
| 4 | 審査請求 | 出願日から3年以内 |
| 5 | 実体審査 | 審査請求から平均9〜12ヶ月 |
| 6 | 拒絶理由通知 / 特許査定 | 審査結果に応じて |
| 7 | 設定登録・特許公報発行 | 登録料納付後 |
各ステップの詳細
1. 特許出願
特許庁に対し、以下の書類を提出します。
- 願書: 出願人・発明者の情報
- 特許請求の範囲(クレーム): 保護を求める発明の範囲
- 明細書: 発明の詳細な説明
- 図面: 必要に応じて(方法の発明では不要な場合も)
- 要約書: 技術内容の概要
出願時に必要な費用は、特許庁への出願料14,000円に加え、弁理士費用が20〜50万円程度かかるのが一般的です。
2. 方式審査
書類の形式的な不備がないかチェックされます。不備がある場合は補正命令が出されます。
3. 出願公開
出願日から1年6ヶ月が経過すると、出願内容が特許公開公報として公開されます。これにより第三者が内容を閲覧可能になります。早期公開の請求も可能です。
4. 審査請求
日本の特許制度は「審査請求制度」を採用しており、出願しただけでは審査は開始されません。出願日から3年以内に審査請求を行う必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期限 | 出願日から3年以内 |
| 費用 | 138,000円 + 請求項数 × 4,000円 |
| 未請求の場合 | 出願は取り下げたものとみなされる |
5. 実体審査
審査官が以下の要件を審査します。
- 新規性: 出願前に公知でないこと
- 進歩性: 当業者が容易に想到できないこと
- 産業上の利用可能性: 産業に利用できること
- 記載要件: 明細書の記載が十分であること
- 先願主義: 同一発明について最先の出願であること
拒絶理由通知への対応
拒絶理由通知とは
審査の結果、特許要件を満たさないと判断された場合、審査官から拒絶理由通知が送付されます。統計上、初回審査で一発特許査定となるケースは全体の約30〜40%程度です。
対応方法
拒絶理由通知を受けた場合、以下の対応が可能です。
- 意見書の提出: 審査官の判断に対する反論を記載
- 補正書の提出: クレームや明細書を修正
- 面接審査: 審査官と直接議論する機会を申請
対応期限は通常60日以内(在外者は3ヶ月以内)です。
早期審査制度の活用
対象となるケース
以下に該当する場合、早期審査を請求できます。
- 出願人が中小企業・個人・大学等の場合
- 外国出願を行っている場合
- 実施関連出願(既に事業化している、または2年以内に事業化予定)
- グリーン関連技術の出願
早期審査を利用すると、審査結果が平均2〜3ヶ月で得られます。通常審査の約9〜12ヶ月と比較して大幅な短縮が可能です。
スーパー早期審査
さらに迅速な審査を求める場合、一定の条件を満たせば「スーパー早期審査」を利用でき、平均1ヶ月程度で結果が出ます。
登録後の維持管理
特許査定を受けたら、登録料を納付して権利を成立させます。その後も年金(特許料)を毎年納付しなければ権利は消滅します。
| 年次 | 年金額(1請求項あたり) |
|---|---|
| 1〜3年 | 4,300円 + 請求項数 × 300円 |
| 4〜6年 | 10,300円 + 請求項数 × 800円 |
| 7〜9年 | 24,800円 + 請求項数 × 1,900円 |
| 10年以降 | 59,400円 + 請求項数 × 4,600円 |
特許審査の流れを正しく理解し、適切なタイミングで対応することが、効率的な権利取得の鍵です。PatentMatch.jpでは出願戦略の立案からマッチングまでトータルにサポートしています。