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不公正行為(Inequitable Conduct):特許が無効になるリスクと対策

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この記事のポイント

米国特許法における不公正行為(Inequitable Conduct)の法理を解説。情報開示義務違反のリスクと、出願実務で注意すべきポイントを整理します。

米国では、特許出願人はUSPTO(米国特許商標庁)に対して**特許性に関するすべての重要情報を開示する義務(Duty of Candor)**を負っている。この義務に違反すると、**不公正行為(Inequitable Conduct)が認定され、特許が権利行使不能(Unenforceable)**となるリスクがある。


不公正行為の2要件

Therasense判決(2011年CAFC大法廷)以降の判断基準は以下の通り。

要件基準
重要性(Materiality)「But-for」基準:その情報が開示されていれば特許は付与されなかったか
欺瞞意図(Intent to Deceive)特許庁を欺く明確な意図があったか(推認ではなく直接証拠が必要)

よくある不公正行為の事例

事例内容
先行技術の未開示出願人が知っていた先行文献をIDSに記載しなかった
矛盾する主張日本の出願では先行技術と認めつつ、米国では未開示
データの改ざん実験データの意図的な操作
発明者の偽り真の発明者を含めない、または非発明者を含めた

IDS(Information Disclosure Statement)の実務

提出すべき情報

情報の種類
先行技術文献特許公報、学術論文、カタログ
審査官通知日本・欧州等の審査経過
関連訴訟特許に関する訴訟情報
関連出願同一発明に関する他の出願

提出期限

タイミング期限
出願日から3ヶ月以内追加料金なし
最初の拒絶通知前追加料金なし
最終拒絶後料金+説明書が必要
発行料支払い後原則提出不可

日本企業が陥りやすい問題

  1. 日本の拒絶理由通知の未提出:日本で引用された先行技術を米国IDSに含めない
  2. 関連出願の未記載:ファミリー出願の審査経過を共有しない
  3. 社内文書の管理不足:発明者が認識していた先行技術が記録されていない
  4. 翻訳の遅延:外国語文献の英訳が間に合わずIDSに含めない

まとめ

不公正行為の認定は特許を完全に無効化する深刻なリスクだ。「疑わしきは開示する」の姿勢でIDS提出を徹底し、特に外国出願の審査経過は漏れなく米国に報告する体制を構築すべきである。

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