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特許庁の面接審査(インタビュー審査)に臨む際の準備方法を解説。審査官を説得するプレゼン術、面接審査の流れ、成功のコツを紹介。
面接審査(インタビュー審査)は、審査官と直接対話することで拒絶理由を効率的に解消できる有力な手段である。書面だけでは伝わりにくい発明の技術的意義や効果を、口頭説明と資料で説得する機会となる。本記事では面接審査の準備方法と成功のコツを解説する。
面接審査とは
制度の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 審査係属中の出願 |
| 申請者 | 出願人または代理人 |
| 場所 | 特許庁(東京)またはオンライン |
| 費用 | 無料 |
| 所要時間 | 通常30分〜1時間 |
| 効果 | 審査の迅速化、拒絶理由の早期解消 |
どんな場合に面接審査を活用すべきか
- 拒絶理由通知の争点が複雑な場合
- 書面では説明しにくい技術的効果がある場合
- 補正案の方向性を審査官と事前に確認したい場合
- デモンストレーションやサンプル提示が効果的な場合
面接審査の準備
ステップ1:争点の整理
拒絶理由通知を精読し、審査官が問題としているポイントを明確にする:
- 新規性の否定 → 引用文献との差異を特定
- 進歩性の否定 → 技術的効果の顕著性を整理
- 記載要件の不備 → 明細書の補充ポイントを特定
- 単一性の欠如 → 分割出願の検討
ステップ2:説明資料の作成
面接用の資料は以下の構成が効果的である:
- 発明の概要(1枚):技術的課題と解決手段の図解
- 引用文献との対比表(1〜2枚):構成要素ごとの差異を明示
- 技術的効果の説明(1〜2枚):データ、グラフ、実験結果
- 補正案(1枚):クレーム修正の方向性
ステップ3:想定問答の準備
審査官からの想定質問と回答を準備する:
| 想定質問 | 準備すべき回答 |
|---|---|
| 「引用文献1と2を組み合わせれば容易では?」 | 組み合わせの動機づけがないことの説明 |
| 「効果は引用文献でも得られるのでは?」 | 定量的データでの差異の提示 |
| 「クレームが広すぎないか?」 | 減縮案の提示(複数パターン) |
面接審査当日の進め方
効果的なプレゼンのコツ
- 結論から述べる:「本発明は引用文献1とは○○の点で異なります」
- 図を多用する:テキストよりも図解の方が伝わりやすい
- 技術的効果を強調:進歩性の主張は効果がカギ
- 審査官の疑問に丁寧に応答:一方的な説明に終始しない
- 補正の余地を残す:面接で方向性を確認し、書面で正式に対応
避けるべきこと
- 法律論に終始し、技術の説明を怠る
- 審査官の意見を否定的に扱う
- 事前準備なしで臨む
面接審査後の対応
面接後は以下のフォローを行う:
- 面接記録の確認(特許庁が作成する面接記録を確認)
- 補正書・意見書の提出(面接で合意した方向性に沿って)
- 社内報告(面接結果と今後の見通しを知財部門に報告)
まとめ
面接審査は、書面審理だけでは伝わりにくい発明の価値を審査官に直接伝える貴重な機会である。入念な準備と効果的なプレゼンにより、拒絶理由の克服確率を大幅に高めることができる。