この記事のポイント
特許無効審判を請求された場合の対応策を5ステップで解説。答弁書の作成、訂正請求の活用、審決取消訴訟まで実務を網羅します。
自社の特許に無効審判が請求されたら、冷静に5つのステップで対応しましょう。適切に防御すれば、特許を維持できるケースは決して少なくありません。
ステップ1: 無効理由の分析
まず、請求人が主張する無効理由を正確に把握します。無効理由の大半は「新規性の欠如」または「進歩性の欠如」です。提示された先行技術文献(引用文献)と自社特許の請求項を詳細に対比します。
弁理士に依頼し、引用文献と自社発明の技術的な差異を明確にすることが最初の作業です。
ステップ2: 答弁書の作成
無効審判の請求書が送達されてから指定期間内(通常60日以内、延長可能)に答弁書を提出します。答弁書では、請求人の主張の不当性を論理的に反論します。
反論のポイント:
- 引用文献との技術的相違点を明確にする
- 進歩性の主張には「組み合わせの動機付け」の不存在を論証する
- 自社発明の顕著な効果を立証する
ステップ3: 訂正請求の検討
請求項が先行技術と近接している場合、請求項を「訂正」して権利範囲を絞ることで、無効理由を回避できることがあります。訂正は特許請求の範囲を拡大しない範囲で可能です。
訂正後の請求項でも事業上の保護に十分かどうか、事前に検討することが重要です。
ステップ4: 口頭審理への対応
書面審理だけでなく、口頭審理が開かれる場合があります。口頭審理では審判官との直接のやり取りが行われるため、技術的な争点を簡潔に説明できる準備が必要です。
ステップ5: 審決への対応
無効審決(特許無効の判断)が出された場合、知的財産高等裁判所に審決取消訴訟を提起できます。提訴期限は審決の送達日から30日以内です。
逆に、特許維持の審決が出ても、請求人が審決取消訴訟を提起する可能性があるため、最終確定まで油断は禁物です。
まとめ
無効審判は脅威ですが、適切な対応で特許を守ることは可能です。特に訂正請求は強力な防御ツールであり、戦略的に活用しましょう。