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特許ライセンス契約書の基本構成と重要条項を解説。ロイヤリティ設計から契約終了条件まで実務テンプレート付きでPatentMatch.jpがお届けします。
特許ライセンス契約は、知財を収益化する最も一般的な手段です。しかし、契約条件の設計を誤ると、権利者・実施者双方に大きなリスクが生じます。本記事では、実務で使える契約書の基本構成と重要ポイントを解説します。
ライセンス契約の基本構成
前文
契約当事者の特定と契約目的を記載します。
甲(ライセンサー):○○株式会社
乙(ライセンシー):△△株式会社
甲が保有する下記特許に関し、乙に実施権を許諾する。
対象特許:特許第○○○○○○○号
第1条:定義
契約で使用する用語を明確に定義します。
- 対象特許:ライセンスの対象となる特許の範囲
- 許諾製品:特許を実施して製造・販売する製品の定義
- 領域:地理的な範囲(日本国内、全世界等)
- 実施:製造、使用、販売、輸出入のいずれを含むか
重要条項の解説
独占/非独占の選択
| 種類 | 説明 | ロイヤリティの目安 |
|---|---|---|
| 独占的通常実施権 | ライセンシー1社のみに許諾 | 売上の5~10% |
| 非独占的通常実施権 | 複数社に許諾可能 | 売上の2~5% |
| 専用実施権 | ライセンサーも実施不可 | 売上の8~15% |
ロイヤリティ条項
ロイヤリティの設計は契約の核心です。
- ランニングロイヤリティ:売上高に対する一定率(最も一般的)
- 固定額ロイヤリティ:製品1個あたりの固定金額
- 一括払い(ランプサム):契約時に一括で支払い
- ミニマムロイヤリティ:最低保証額の設定
- ステップダウン条項:売上増加に応じて料率を下げる
報告・監査条項
ライセンシーの売上報告を義務付け、ライセンサーの監査権を確保します。
- 四半期ごとの売上報告書の提出
- ライセンサーによる帳簿監査の権利(年1回等)
- 過少申告が発覚した場合のペナルティ
改良発明の取扱い
ライセンス期間中にライセンシーが行った改良発明の帰属を定めます。
- グラントバック条項:改良発明をライセンサーにライセンスバック
- 非排他的グラントバック:独占禁止法上の問題が少ない
- 排他的グラントバック:独禁法上のリスクが高い
契約終了条件
- 契約期間の満了
- 特許権の消滅
- 当事者の契約違反(催告後の解除)
- 破産・民事再生の申立て
交渉のポイント
- 料率の根拠:業界標準のロイヤリティ率を調査した上で交渉
- 権利範囲の明確化:将来の関連特許も含めるか否かを明記
- 紛争解決条項:訴訟か仲裁か、管轄裁判所の選定
- 不争条項の注意:ライセンシーが特許の有効性を争えない条項は独禁法上の問題
注意事項
本記事のテンプレートはあくまで参考です。実際の契約書作成に際しては、必ず弁護士・弁理士にご相談ください。
PatentMatch.jpでは、特許ライセンス候補の発見・マッチングを支援しています。