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欧州特許の異議申立て制度

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この記事のポイント

欧州特許庁(EPO)の異議申立て制度を解説。申立ての要件、手続きの流れ、費用、成功率、攻撃・防御の両面からの活用戦略を紹介します。

はじめに

欧州特許庁(EPO)の異議申立て制度は、付与された特許の有効性を審査段階で争える制度です。裁判所での無効訴訟に比べて費用が低く、手続きも比較的迅速です。本記事では、異議申立て制度の概要と戦略的な活用法を解説します。

異議申立て制度の概要

基本情報

項目内容
申立て期間特許付与の公報発行日から9か月以内
申立て費用880ユーロ
審理期間約15-24か月
審理主体EPO異議部(3名の審査官で構成)

異議理由(EPC第100条)

  1. 特許性の欠如: 新規性または進歩性の不足(最も多い理由)
  2. 開示不十分: 当業者が発明を実施できないほど記載が不十分
  3. 追加事項: 出願時の開示範囲を超えた内容が含まれている

手続きの流れ

異議申立人(攻撃側)

  1. 異議申立書を9か月の期限内にEPOに提出
  2. 異議理由と証拠(先行技術文献等)を詳細に記載
  3. 口頭審理に出席し、主張を補強

特許権者(防御側)

  1. 異議申立書の通知を受領
  2. 反論書を提出(通常4か月の期限)
  3. 必要に応じてクレームの補正(主請求・副請求)を提出
  4. 口頭審理で防御

審理の結果

結果割合(概算)
特許維持(補正なし)約25-30%
特許維持(補正あり)約35-40%
特許取消約30-35%

攻撃側の戦略

効果的な異議申立てのポイント

  • 強力な先行技術の提示: 出願前に公開された文献で、クレームの全要素をカバーするものが理想
  • 複数の異議理由の主張: 進歩性と開示不十分を併せて主張する
  • 口頭審理の活用: 書面では伝わりにくい技術的論点を直接説明する

Straw man(わら人形)異議

自社名を出さずに第三者名義で異議を申し立てる戦略です。ただし、実質的な利害関係者が背後にいることが判明した場合の信用リスクがあります。

防御側の戦略

副請求の準備

複数の副請求(Auxiliary Requests)を段階的に準備し、最も広い権利範囲での維持を主請求としつつ、段階的に限定したクレームセットを用意します。

宣誓書・実験データ

クレームの技術的効果を裏付ける追加の実験データを宣誓書の形で提出することが可能です。

まとめ

欧州特許の異議申立て制度は、比較的低コストで競合特許の有効性を争える有力な手段です。攻撃側は強力な先行技術の準備、防御側は副請求の充実が成功の鍵となります。

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