この記事のポイント
初心者向けに先行技術調査の基本的なやり方を解説。調査の目的、検索ツールの使い方、IPC分類の活用法、調査結果の評価方法を紹介します。
はじめに
特許出願の前に行う先行技術調査は、出願の成否を大きく左右します。既に同様の技術が公開されていれば、新規性や進歩性が否定され、特許を取得できません。本記事では、先行技術調査の初心者が押さえるべき手順とツールを紹介します。
先行技術調査の目的
なぜ調査が必要か
| 目的 | 具体的なメリット |
|---|---|
| 新規性の確認 | 同一技術の存在有無を事前に把握 |
| 進歩性の判断材料 | 類似技術との差異を明確化 |
| 出願費用の節約 | 権利化の見込みが低い出願を回避 |
| クレーム設計の参考 | 先行技術を避けた権利範囲の設定 |
主要な検索ツール
J-PlatPat(日本特許)
特許庁が提供する無料の特許情報検索サービスです。日本の特許・実用新案・意匠・商標の検索が可能です。
基本的な検索手順:
- J-PlatPat(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)にアクセス
- 「特許・実用新案」タブを選択
- キーワード検索またはIPC分類検索を実行
- 検索結果から関連文献を確認
Google Patents
世界中の特許文献を横断検索できる無料ツールです。日本語での検索にも対応しています。
Espacenet(欧州特許庁)
欧州特許庁が提供するデータベースで、全世界の特許文献にアクセスできます。
IPC分類を活用した検索
IPC(国際特許分類)とは
特許技術を階層的に分類するコード体系です。キーワード検索だけでは漏れが生じるため、IPC分類を併用した検索が重要です。
IPC分類の構造例:
- セクション: H(電気)
- クラス: H04(電気通信技術)
- サブクラス: H04L(デジタル情報の伝送)
- メイングループ: H04L 9/00(暗号配置)
IPC分類の調べ方
- まずキーワードで予備検索を行う
- 関連性の高い特許文献のIPC分類を確認する
- そのIPC分類で再検索し、漏れを防ぐ
調査結果の評価方法
先行技術文献が見つかった場合、以下の観点で自社発明との対比を行います。
- 構成要素の一致: クレームの各要素が先行技術に開示されているか
- 技術的効果の違い: 先行技術にない効果があるか
- 組み合わせの容易性: 複数の先行技術を組み合わせれば到達できるか
まとめ
先行技術調査は、キーワード検索とIPC分類検索を組み合わせて行うことが基本です。J-PlatPatとGoogle Patentsを活用し、出願前に十分な調査を行うことで、権利化の確度を高めましょう。