特許活用ガイド

出願遅延(プロセキューション・ラッチェス)の問題と対策

約3分で読める

この記事のポイント

特許出願の遅延(プロセキューション・ラッチェス)の問題を解説。遅延が権利行使に与える影響、各国の制度、出願管理のベストプラクティスを紹介します。

プロセキューション・ラッチェスとは

プロセキューション・ラッチェス(Prosecution Laches)とは、特許出願の審査過程で不当に手続きを遅延させた場合に、その特許の権利行使が制限されるという法理です。出願人が意図的にまたは不合理に出願手続きを引き延ばした場合、公正の観点から権利行使が認められないことがあります。

遅延が問題となるケース

長期にわたる継続出願の連鎖

米国では、継続出願(Continuation)を何度も繰り返し、出願から20年以上経過してから特許を取得するケースが問題視されてきました。このような「サブマリン特許」は、業界が技術を広く使用した後に権利を主張するため、不公正と判断されることがあります。

応答の意図的な遅延

拒絶理由通知への応答を意図的に遅らせたり、審査官面接を何度も延期したりする行為も、プロセキューション・ラッチェスの対象となりえます。

IDS(情報開示義務)の遅延

米国では、出願人は関連する先行技術を特許庁に開示する義務(IDS)があります。この開示を意図的に遅らせることも問題となります。

各国の対応

米国

米国では、判例法によりプロセキューション・ラッチェスの抗弁が認められてきました。不当な遅延により第三者が不利益を受けた場合、特許の権利行使が制限される可能性があります。

日本

日本では、出願手続きの遅延自体が直接的に権利行使を制限する制度はありませんが、審査請求期限(出願日から3年)や補正の時期的制限が設けられており、手続き上の遅延は制度的に制限されています。

出願管理のベストプラクティス

1. タイムラインの管理

出願から権利化までのタイムラインを計画し、各手続きの期限を管理します。不必要な遅延を避け、合理的なペースで審査を進めましょう。

2. 継続出願の計画的な利用

継続出願は正当な目的のために計画的に利用し、不必要な連鎖を避けます。

3. IDSの迅速な提出

関連する先行技術を認識したら、速やかにIDSとして提出します。提出の遅延は、特許の権利行使時に不正行為(Inequitable Conduct)として主張されるリスクがあります。

4. 記録の保持

出願手続きの各段階で、対応の遅延が生じた場合はその理由を記録しておきます。正当な理由がある遅延と不当な遅延を区別するための証拠となります。

まとめ

プロセキューション・ラッチェスは、出願手続きの不当な遅延により特許の権利行使が制限されるリスクです。出願管理を計画的に行い、合理的なペースで審査を進めることで、このリスクを回避しましょう。

関連記事

他の記事も読んでみませんか?

PatentMatch.jpでは、特許活用に関する実践的な情報を多数掲載しています。