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特許の税制優遇 — パテントボックス税制と研究開発税制

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この記事のポイント

特許に関する税制優遇制度を解説。パテントボックス税制、研究開発税制控除、特許出願費用の損金算入など、知財を活用した節税策を紹介します。

特許に関する税制優遇の全体像

知的財産に関する税制優遇は、企業のイノベーション投資を促進するための重要な政策手段です。日本では、研究開発税制を中心にさまざまな優遇制度が用意されており、近年はパテントボックス税制の導入議論も進んでいます。

パテントボックス税制とは

制度の概要

パテントボックス税制(Patent Box / Innovation Box)は、特許やその他の知的財産から得られる所得に対して、通常の法人税率よりも低い税率を適用する制度です。

適用税率通常税率軽減幅
英国10%25%15ポイント
オランダ9%25.8%16.8ポイント
フランス10%25%15ポイント
アイルランド6.25%12.5%6.25ポイント

日本における導入状況

日本でも2025年度税制改正においてイノベーションボックス税制が導入されました。知的財産から生じる所得の一定割合を所得控除する仕組みで、日本企業の知財活用を促進することが期待されています。

対象となる所得

  • 特許権のライセンス収入
  • 特許技術を用いた製品の販売益(一定の按分計算が必要)
  • 特許権の譲渡益

研究開発税制

制度の概要

研究開発税制は、企業が研究開発に投じた費用の一定割合を法人税額から控除できる制度です。特許の取得に直結する研究開発活動が対象となります。

控除の種類

一般型(総額型)

試験研究費の総額に対して一定割合を税額控除します。

  • 控除率:2〜14%(増減試験研究費割合に応じて変動)
  • 控除上限:法人税額の25%

オープンイノベーション型

大学や他企業との共同研究費に対して、より高い控除率が適用されます。

  • 控除率:20〜30%
  • 控除上限:法人税額の10%(一般型と別枠)

対象となる研究開発費

  1. 人件費: 研究者の給与・賞与
  2. 原材料費: 実験・試作に使用する材料費
  3. 外注費: 外部への研究委託費
  4. 設備費: 研究用設備のリース料等

特許出願費用の税務処理

損金算入のタイミング

特許出願に関する費用は、原則として支出した事業年度の損金に算入できます。

費用項目税務処理
出願手数料支出時に損金算入
弁理士報酬支出時に損金算入
特許登録料繰延資産として償却(または一括損金算入)
特許権の取得費無形固定資産として8年で償却

特許権の減価償却

他社から購入した特許権は無形固定資産として計上し、法定耐用年数8年で償却します。自社で出願・取得した特許権の場合は、出願費用の取り扱いが異なる場合があるため、税理士に確認しましょう。

中小企業向けの特別措置

中小企業は、研究開発税制において以下の優遇を受けられます。

  • 控除率の上乗せ(最大17%)
  • 控除上限の引き上げ(法人税額の35%まで)
  • 赤字でも繰越控除が可能(一定条件あり)

まとめ

特許関連の税制優遇を適切に活用することで、研究開発投資の回収を加速させることができます。パテントボックス税制の本格導入により、日本企業にとっても知財からの収益に対する税メリットが拡大しています。自社の知財戦略に合った税制優遇を見逃さないよう、税理士や知財専門家と連携して対応しましょう。

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