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発明と特許の違い — すべての発明が特許になるわけではない

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この記事のポイント

発明と特許は同じではありません。すべての発明が特許になるわけではない理由と、特許として認められるための条件をわかりやすく解説します。

発明と特許 — 似ているけれど違うもの

「発明した」と「特許を取った」は全く異なる概念です。発明は技術的なアイデアそのものを指し、特許はそのアイデアに対して国が与える法的な権利です。世の中に存在する発明のうち、特許として認められるのは一部に過ぎません。

発明とは何か

法律上の定義

特許法では、発明を「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義しています(特許法第2条)。

要素意味具体例
自然法則の利用物理・化学などの自然の法則を使っていること磁力を使ったモーター、化学反応を利用した材料
技術的思想具体的な技術的アイデアであること単なる願望や発見ではないこと
創作人間が考え出したものであること自然現象の発見だけでは不十分
高度のもの一定以上の技術的レベルがあること実用新案との差別化要素

発明に該当しないもの

以下は「発明」の定義に当てはまらず、特許の対象にはなりません。

  • 自然法則そのもの(例:万有引力の法則)
  • 数学的な公式やアルゴリズムそのもの(ただし技術的応用は特許対象になりうる)
  • 人為的な取り決め(例:ゲームのルール、ビジネスモデルの概念そのもの)
  • 芸術作品(著作権で保護される)
  • 単なる発見(例:新種の植物の発見そのもの)

発明から特許になるまでのフィルター

すべての発明が特許になるわけではありません。発明が特許として認められるには、複数のフィルターを通過する必要があります。

フィルター1:特許法上の「発明」に該当するか

前述の法律上の定義に当てはまるかどうかが最初の関門です。

フィルター2:新規性があるか

出願時点で世の中にまだ知られていない新しいものでなければなりません。

新規性を失う行為具体例
学術論文での発表学会発表、ジャーナル掲載
製品の販売発明を使った製品を市場に出す
インターネットでの公開ブログ、SNS、YouTubeでの技術説明
展示会での公開展示会やデモでの技術公開

ただし、日本では新規性喪失の例外規定があり、自らの公開から1年以内であれば所定の手続きにより新規性が認められる場合があります。

フィルター3:進歩性があるか

その技術分野の専門家(当業者)が、既存の技術から容易に思いつけないレベルの工夫が必要です。これが特許取得で最も高いハードルとなることが多いです。

フィルター4:産業上利用できるか

産業(製造、農業、サービスなど)に利用できることが求められます。人間を手術する方法などは対象外です。

具体例で理解する「特許にならない発明」

例1:すでに存在する技術の再発明

自分では新しいと思っていても、世界のどこかで既に公開されている技術は新規性がなく特許になりません。先行技術調査が重要な理由です。

例2:既存技術の単純な組み合わせ

AとBという既存技術を単に組み合わせただけで、予想外の効果がない場合は進歩性がないと判断されることが多いです。

例3:永久機関

エネルギー保存則に反する永久機関は、自然法則に反するため特許の対象にはなりません。

例4:ビジネスモデルそのもの

「こういう仕組みで儲ける」というビジネスモデルの概念だけでは特許になりません。ただし、そのビジネスモデルを実現する技術的な仕組み(システム構成やアルゴリズム)は特許対象になりえます。

特許にならなくても保護できる場合がある

特許が取れない発明でも、他の手段で保護できる可能性があります。

保護手段適している場合
実用新案物品の形状・構造の工夫(無審査で登録)
営業秘密秘密として管理できる技術・ノウハウ
著作権ソフトウェアのプログラムコード
意匠権製品のデザイン
先使用権出願前から実施していた技術

発明を特許にするための実践的アドバイス

1. 早めに先行技術調査を行う

Google PatentsやJ-PlatPatで類似の技術がないか調べましょう。完全に同じでなくても類似技術があると、進歩性の判断に影響します。

2. 発明の「差分」を明確にする

既存技術と比べて何が新しいのか、どんな効果があるのかを具体的に説明できるようにしましょう。「より良い」ではなく「何がどう違うのか」が重要です。

3. 公開前に出願する

発明の内容を論文、プレスリリース、SNSなどで公開する前に出願することが原則です。公開後の出願は新規性の問題が生じます。

4. 弁理士に相談する

発明が特許になるかどうかの判断は専門的な知識が必要です。多くの弁理士事務所は初回相談を無料で受け付けています。

まとめ

発明と特許は異なる概念であり、すべての発明が特許になるわけではありません。特許として認められるには、新規性・進歩性・産業上の利用可能性という条件を満たす必要があります。自分の発明が特許になるかどうか判断に迷ったら、先行技術調査を行い、弁理士に相談することが最善の第一歩です。

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