特許活用ガイド

台湾特許出願ガイド — TIPOへの申請と半導体知財

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この記事のポイント

台湾知的財産局(TIPO)への特許出願手続き、費用、審査の特徴を解説。半導体産業を中心とした台湾の知財戦略をPatentMatch.jpがお届けします。

台湾は世界の半導体製造の中心地であり、TSMC、MediaTek、UMCなどグローバル企業が集積しています。日本の半導体装置・素材メーカーにとって、台湾での特許取得はサプライチェーン保護の観点から不可欠です。

本ガイドでは、台湾知的財産局(TIPO: Taiwan Intellectual Property Office)への出願手続き、審査の特徴、費用について解説します。


台湾特許制度の概要

台湾は独自の特許制度を運用しており、PCT(特許協力条約)には加盟していません。そのため、台湾で特許を取得するには直接出願またはパリ条約に準じた優先権主張出願を行う必要があります。

基本情報

項目内容
管轄機関經濟部智慧財產局(TIPO)
特許存続期間出願日から20年
審査方式審査請求制(出願日から3年以内)
PCT加盟非加盟(直接出願が必要)
公開出願日から18ヶ月後
言語中国語(繁体字)

特許の種類

種類保護期間概要
発明特許出願日から20年技術的思想の創作
実用新案出願日から10年物品の形状・構造に関する考案(無審査登録)
意匠(設計専利)出願日から15年物品のデザイン

出願手続きと必要書類

PCT非加盟への対応

台湾はPCTに加盟していないため、日本からの出願は以下のルートになります。

  1. 直接出願 — TIPOに直接出願
  2. 優先権主張出願 — 日本出願から12ヶ月以内に優先権を主張して出願

PCTで各国に国内移行する際、台湾だけ別途直接出願が必要になる点に注意してください。出願期限の管理を誤ると優先権を失う可能性があります。

必要書類

書類備考
願書中国語
明細書・請求の範囲中国語(繁体字)
要約書中国語
図面必要に応じて
優先権証明書日本特許庁発行のもの
委任状現地代理人への委任
譲渡証出願人と発明者が異なる場合

審査の特徴

審査期間

TIPOの平均審査期間は約12〜16ヶ月で、近年は短縮傾向にあります。

台日PPH(特許審査ハイウェイ)

台湾と日本の間には台日PPHが運用されています。日本の特許庁で特許査定を受けた出願に基づき、TIPOで早期審査を受けることが可能です。

PPH利用時の効果数値
平均審査期間約6〜9ヶ月
特許査定率約80%以上

半導体関連出願の動向

TIPOの出願統計によると、半導体関連の特許出願は全体の約15〜20%を占めています。半導体製造プロセス、パッケージング技術、EDA(電子設計自動化)ツールなどの分野で活発な出願が行われています。


費用の目安

項目費用(TWD)日本円概算
出願料3,500約16,000円
審査請求料7,000約32,000円
登録料(第1年)2,500約11,500円
年金(第4年目以降)5,000〜約23,000円〜

※TWD 1 ≒ 約4.6円(2026年3月時点の概算)。請求項の数により加算あり。


日本企業が注意すべきポイント

PCTからの移行忘れに注意

日本企業がPCT出願をする際、台湾はPCT加盟国ではないため、PCT出願とは別に台湾への直接出願が必要です。優先権主張の期限(12ヶ月)を過ぎると救済措置がないため、出願管理に細心の注意を払いましょう。

繁体字中国語の翻訳

台湾では**繁体字(Traditional Chinese)**を使用します。中国大陸の簡体字との相互変換だけでは不十分で、法律用語・技術用語に違いがある場合があります。台湾の特許翻訳に精通した翻訳者を選定してください。

実用新案の戦略的活用

台湾の実用新案は無審査登録制で、出願から約2〜4ヶ月で登録されます。半導体パッケージングの構造的改良など、形状・構造に関する発明については実用新案を活用する手もあります。


まとめ

台湾は半導体サプライチェーンの要であり、日本の素材・装置メーカーにとって知財保護の最重要市場の一つです。PCT非加盟という特殊性を理解し、出願期限を適切に管理することが成功の鍵です。PatentMatch.jpでは台湾の知財動向を継続的にお届けします。

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