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イギリス特許出願ガイド — Brexit後のUKIPOと特許制度

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この記事のポイント

Brexit後のイギリス特許制度、UKIPOへの出願手続き、費用、審査の特徴を解説。欧州市場での知財戦略をPatentMatch.jpがお届けします。

イギリスはEU離脱(Brexit)後も欧州最大級の経済大国であり、金融、製薬、AI、バイオテクノロジーなどの分野で世界をリードしています。Brexit後の知財制度にはいくつかの重要な変更があり、日本企業はこれを正しく理解したうえで出願戦略を立てる必要があります。

本ガイドでは、英国知的財産庁(UKIPO: UK Intellectual Property Office)への出願手続きとBrexit後の制度変更について解説します。


イギリス特許制度の概要

基本情報

項目内容
管轄機関UKIPO(UK Intellectual Property Office)
特許存続期間出願日から20年(医薬品はSPC延長あり)
審査方式実体審査(調査請求+審査請求)
加盟条約PCT、パリ条約、EPC、TRIPS協定
公開出願日から18ヶ月後
言語英語

Brexit後の特許制度への影響

項目Brexit前Brexit後
欧州特許(EP)EP特許はUKで自動的に有効EP特許は引き続きUKで有効(EPCはEU制度ではない)
統一特許裁判所(UPC)参加予定だった不参加
統一特許(Unitary Patent)適用予定だった適用外
補充的保護証明書(SPC)EU規則に基づくUK独自のSPC制度に移行

重要: 欧州特許条約(EPC)はEUの制度ではなく、イギリスはBrexit後もEPC加盟国です。EPOで取得した欧州特許はイギリスで引き続き有効です。ただし、統一特許(Unitary Patent)はイギリスをカバーしません。


出願ルートと手続き

出願ルート

イギリスで特許を取得するには、以下の3つのルートがあります。

  1. UKIPO直接出願 — UKIPOに直接出願してUK特許を取得
  2. EPOルート — 欧州特許庁(EPO)に出願し、UKを指定国として欧州特許を取得
  3. PCTルート — PCT国際出願からUKIPO又はEPO経由で国内移行

各ルートの比較

ルートメリットデメリット
UKIPO直接費用が安い、審査が速いUK限定の権利
EPO経由複数国を一括カバー費用が高い、審査に時間がかかる
PCT→UKIPO出願戦略の柔軟性国内移行の手続きが必要

必要書類

書類備考
願書(Patents Form 1)英語
明細書・請求の範囲英語
要約書英語
図面必要に応じて
優先権書類DAS利用可
調査請求(Form 9A)出願日から12ヶ月以内
審査請求(Form 10)出願日から6ヶ月以内(調査報告受領後)

審査の特徴

審査プロセス

UKIPOの審査プロセスは以下の流れです。

  1. 方式審査 — 出願書類の形式チェック
  2. 調査(Search) — 先行技術調査(出願から約6ヶ月)
  3. 公開 — 出願日から18ヶ月後
  4. 実体審査 — 新規性・進歩性の審査
  5. 特許付与 — 合規期限(compliance period)内に全要件を充足

合規期限(Compliance Period)

出願の優先日から4年6ヶ月以内(または出願日から4年6ヶ月以内のいずれか遅い方)に、すべての要件を満たして特許を取得する必要があります。

ソフトウェア特許の扱い

UKIPOは、「コンピュータプログラムそのもの」を特許対象外としています(1977年特許法第1条(2)(c))。ただし、技術的貢献(technical contribution)を伴うソフトウェア発明は特許適格性が認められます。UKIPOはEPOとは異なる独自の判断基準を適用する場合があります。


費用の目安

項目費用(GBP)日本円概算
出願料30約5,700円
調査料150約28,500円
審査料100約19,000円
登録料無料
年金(5年目〜)70〜約13,300円〜/年

※GBP 1 ≒ 約190円(2026年3月時点の概算)。UKIPOの出願費用は欧州の中でも安価です。


日本企業が注意すべきポイント

統一特許(Unitary Patent)はUKをカバーしない

2023年に開始した欧州統一特許制度は、イギリスを対象外としています。欧州統一特許を取得しても、イギリスでは別途UK特許またはEP(UK)の手続きが必要です。

UK特許とEP(UK)の使い分け

方式推奨ケース
UKIPO直接出願UK市場のみが重要な場合、コスト優先の場合
EP経由(UK指定)欧州複数国で権利が必要な場合
両方広範な保護が必要な場合(二重特許は不可)

SPC(補充的保護証明書)

医薬品・農薬については、規制当局の承認取得に要した期間に応じて、最大5年のSPCが取得可能です。Brexit後はUK独自のSPC制度で運用されています。


まとめ

Brexit後もイギリスの特許制度は安定しており、EPCに基づく欧州特許もUKで引き続き有効です。ただし、統一特許がUKをカバーしない点を踏まえ、UK独自の出願戦略を検討する必要があります。UKIPOの費用の安さと英語出願の利便性は日本企業にとって大きなメリットです。PatentMatch.jpでは、Brexit後の英国知財動向を引き続きお届けします。

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