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2025-2026年の日本特許出願動向を業種別・地域別に分析。AI関連が+15%で最大の成長分野、グリーンテック+10%、医療+5%と続く。予測出願総数29万件のデータに基づく戦略立案のための実務ガイド。
日本の特許出願は2025年に約29万件と予測されており、前年比+1.0%の緩やかな成長が続いています。しかし分野別に見ると、AI関連が+15%と突出した成長を見せる一方、伝統産業は-3%と明暗が分かれています。
本記事では、特許庁の統計データに基づき、2025-2026年の出願動向を分析し、企業の出願戦略に役立つ情報を提供します。
2025年の出願予測サマリー
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 予測出願総数 | 約290,000件 |
| 前年比成長率 | +1.0% |
| 最大成長分野 | AI・機械学習(+15%) |
| 最大減少分野 | 伝統産業(-3%) |
業種別の出願動向
AI・機械学習:+15%で最大の成長
| 年 | 出願件数 | 成長率 |
|---|---|---|
| 2024年 | 18,500件 | — |
| 2025年(予測) | 21,300件 | +15% |
AI分野の特許出願は2020年以降、毎年2桁成長を続けており、2025年に21,300件に達する見通しです。
注目のIPC分類:
- G06N3/02(ニューラルネットワーク)
- G06N20/00(機械学習全般)
- G06N3/08(学習方法)
日本のAI特許の特徴として、「学習装置」「推論方法」「データ処理」といった実用的な発明が多く、基礎研究よりも応用面での出願が中心です。
関連記事: 日本のAI特許最新動向
グリーンテック:+10%で政府支援が追い風
| 年 | 出願件数 | 成長率 |
|---|---|---|
| 2024年 | 12,000件 | — |
| 2025年(予測) | 13,200件 | +10% |
グリーンテック分野は、政府の脱炭素政策と2026年の優先審査拡大が追い風となり、堅調な成長を続けています。
注目の技術分野:
- 太陽光パネル関連(IPC: H02S)
- バッテリー・蓄電技術
- 水素製造・貯蔵
- CO2回収技術
医療:+5%で安定成長
| 年 | 出願件数 | 成長率 |
|---|---|---|
| 2024年 | 8,500件 | — |
| 2025年(予測) | 8,900件 | +5% |
高齢化社会への対応として、医療分野の出願は安定した成長を維持しています。バイオ医薬品(IPC: A61K)を中心に、ワクチン、核酸医薬、再生医療関連の出願が増加傾向です。
自動車:-3%で減少傾向
| 年 | 出願件数 | 成長率 |
|---|---|---|
| 2024年 | 6,500件 | — |
| 2025年(予測) | 6,300件 | -3% |
従来型の自動車技術(内燃機関等)の出願は減少傾向です。ただし、自動運転技術はAI分野に、EV技術はグリーンテック分野にそれぞれ分類されるケースが増えており、自動車メーカーの出願活動自体が衰退しているわけではありません。
地域別の出願動向
| 地域 | シェア |
|---|---|
| 東京 | 30% |
| 大阪 | 15% |
| 名古屋 | 12% |
| その他 | 43% |
三大都市圏で全体の57%を占めますが、地方からの出願も43%と一定の割合を維持しています。特に大学発ベンチャーや地方の技術系中小企業からの出願が増加傾向です。
主要出願人の動向
Google Patents BigQueryデータに基づくと、日本での特許出願上位企業は以下の通りです。
国内大手:
- トヨタ自動車、ソニーグループ、パナソニック、キヤノン、ダイキン工業、ファナック
海外大手:
- Apple、Qualcomm、LG、Huawei、Samsung、Philips
注目点: 海外企業による日本での出願が増加しており、特に通信(5G/6G)分野とバイオ分野で顕著です。
注意点:統計の読み方
出願件数≠登録件数
出願件数は「申請の数」であり、審査を経て登録される割合は約75%です。分野によって登録率は異なります。
IPC分類の重複
1件の出願が複数のIPC分類に該当する場合があり、業種別の数字は重複してカウントされている場合があります。
予測値の誤差
「2025年(予測)」のデータは、過去のトレンドと政策動向に基づく推計です。実績値とは異なる可能性があります。
出願動向を踏まえた戦略
| 分野 | 推奨アクション |
|---|---|
| AI | 早期出願+先行技術調査の徹底。IPC G06Nでの競争が激化 |
| グリーンテック | 優先審査制度の活用。補助金との組み合わせ |
| 医療 | 長期戦略。バイオ特許は権利化まで時間がかかる |
| 自動車 | AI/グリーンテックとの融合分野で差別化 |
よくある質問(FAQ)
Q. 2025年の日本の特許出願総数はいくつですか?
約290,000件と予測されており、前年比+1.0%です。
Q. 最も成長している分野は何ですか?
AI・機械学習分野が+15%で最大の成長です。2025年に21,300件に達する見通しです。
Q. 地域別ではどこが多いですか?
東京30%、大阪15%、名古屋12%で三大都市圏が57%を占めます。
Q. 自動車分野の出願は減っていますか?
従来型は-3%ですが、自動運転・EV関連はAI・グリーンテック分野にカウントされるケースがあります。
Q. この動向を踏まえた出願戦略は?
成長分野(AI、グリーンテック)での早期出願と、優先審査制度の活用が重要です。
まとめ
2025-2026年の日本特許出願は、AI(+15%)とグリーンテック(+10%)が牽引する構図が鮮明です。
- 全体: 年間約29万件で微増(+1.0%)
- 注目分野: AI・機械学習が21,300件で最大成長
- 政策支援: グリーン特許の優先審査、スタートアップ支援が充実
- 特許ポートフォリオ戦略と合わせて、成長分野への集中投資を
最終確認日: 2026年3月31日
参考データ: 特許庁統計(data/crawled/japan-patent-trends-2025-2026.json)に基づく