この記事のポイント
特許ライセンスの会計処理をIFRSと日本基準の両方で解説。PatentMatch.jpがお届けします。
はじめに
特許ライセンスの会計処理は、ライセンサー(権利者)とライセンシー(実施者)の双方で適切に行う必要があります。IFRS(国際財務報告基準)と日本基準では処理が異なる部分があるため、適用される基準に応じた対応が求められます。
ライセンサーの会計処理
IFRSの場合(IFRS 15)
IFRS 15では、ライセンスの性質に応じて収益認識のタイミングが異なります。
| ライセンスの種類 | 収益認識 | 具体例 |
|---|---|---|
| 使用権ライセンス | 一時点で認識 | 固定金額の一括ライセンス |
| アクセス権ライセンス | 期間にわたり認識 | 継続的なサポート付きライセンス |
日本基準の場合
日本基準では、実務上、ロイヤリティ収入は発生主義に基づき、ライセンシーの売上計上時に収益を認識するのが一般的です。一括受領のライセンス料は、契約期間にわたって按分計上する場合もあります。
ライセンシーの会計処理
一括払いライセンス料
| 項目 | IFRSの取扱い | 日本基準の取扱い |
|---|---|---|
| 資産計上 | 無形資産として認識(IAS 38) | 無形固定資産(特許権)に計上 |
| 償却 | 契約期間または特許残存期間で償却 | 同左 |
| 減損 | 減損テストの対象(IAS 36) | 減損会計の対象 |
ランニングロイヤリティ
発生した期間の費用として計上します。売上原価または販管費に分類されることが多いです。
具体的な仕訳例
ライセンサー側(一括受領の場合)
一括ライセンス料1,000万円を受領した場合(契約期間5年):
- 使用権ライセンスの場合: 受領時に全額を売上計上
- アクセス権ライセンスの場合: 毎年200万円ずつ収益計上
ライセンシー側(一括払いの場合)
- 支払時: 無形固定資産 1,000万円 / 現金 1,000万円
- 毎期: 償却費 200万円 / 無形固定資産 200万円
税務上の注意点
ロイヤリティの源泉徴収
海外企業へのロイヤリティ支払いには、原則として源泉徴収が必要です。租税条約による軽減措置の適用を確認しましょう。
移転価格税制
グループ間のライセンス取引には、移転価格税制の適用があります。独立企業間価格での取引であることを文書化する必要があります。
研究開発税制との関係
ライセンス料が研究開発費に該当する場合、税額控除の対象となる可能性があります。
まとめ
特許ライセンスの会計処理は、適用する会計基準やライセンスの性質によって異なります。会計士と連携して、適切な処理を行いましょう。PatentMatch.jpでは会計・税務の専門家の紹介も行っています。