ライセンス実務

技術移転契約の要点 — ライセンス契約との違いと実務

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この記事のポイント

技術移転契約とライセンス契約の違いを明確にし、技術移転契約の主要条項と交渉のポイントを実務視点で解説します。

技術移転契約は、特許ライセンス契約よりも広い範囲をカバーする契約です。特許権だけでなく、ノウハウ、技術指導、トレーニングを含む包括的な技術の移転を取り扱います。

ライセンス契約との違い

項目ライセンス契約技術移転契約
対象特許権の実施許諾特許+ノウハウ+技術指導
範囲権利の使用許可技術の実装能力の移転
サポート原則なし技術者派遣、研修あり
対価ロイヤリティ中心一時金+ロイヤリティ+技術指導費
期間特許の残存期間内技術の習得完了まで

技術移転契約の主要条項

移転対象の定義

「何を移転するか」を具体的に定義します。特許権のリスト、ノウハウの範囲、提供する技術資料の一覧、技術指導の内容と期間を明確にします。曖昧な定義は後のトラブルの原因になります。

技術指導条項

技術者の派遣回数・期間・費用負担を規定します。「移転元が年間〇回、各〇日間の技術者派遣を行う」「派遣費用(日当・交通費・宿泊費)は移転先が負担」といった具体的な条件を定めます。

改良技術の取扱い

移転後に移転先が生み出した改良技術の帰属を明確にします。独占的グラントバック(改良技術を移転元に無償で帰属させる)は独占禁止法上問題がある場合があるため注意が必要です。

秘密保持

ノウハウは秘密情報として管理されるため、秘密保持条項は特に重要です。秘密情報の定義、管理方法、契約終了後の秘密保持期間を詳細に規定します。

保証と免責

移転される技術の品質保証の範囲を明確にします。「技術資料は現状有姿で提供し、商品性や特定目的への適合性を保証しない」などの免責条項が一般的です。

まとめ

技術移転契約は、ライセンス契約の延長線上にある、より包括的な契約です。技術の実装能力まで移転するため、契約条項も詳細な設計が求められます。

一時金500万〜5,000万円+ランニングロイヤリティ2〜5%が一般的な範囲です。技術指導費は別途、技術者1人あたり日額5万〜15万円程度です。

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