この記事のポイント
特許マッチングにおける適正な技術移転対価の算定方法を解説。PatentMatch.jpがお届けします。
はじめに
特許マッチングが成立しても、対価の設定で交渉が破綻するケースは少なくありません。適正な価格設定は、ライセンサーとライセンシーの双方が納得でき、長期的な関係を維持できるものでなければなりません。
主な価格算定方法
| 方法 | 概要 | 適用場面 |
|---|---|---|
| コストアプローチ | 技術開発に要したコストを基準 | 開発コストが明確な場合 |
| マーケットアプローチ | 類似取引の市場相場を参考 | 比較可能な取引事例がある場合 |
| インカムアプローチ | 技術がもたらす将来収益を基準 | 収益予測が可能な場合 |
| ルール・オブ・サム | 業界慣行に基づく(25%ルールなど) | 簡易的な算定が必要な場合 |
インカムアプローチの詳細
DCF法(割引キャッシュフロー法)
技術導入により生じる追加利益のキャッシュフローを予測し、適切な割引率で現在価値に換算します。
計算のステップ
- 技術導入による売上増加額を予測
- 追加利益(限界利益)を算出
- 技術の貢献割合を設定
- 特許の残存期間にわたるキャッシュフローを予測
- 割引率を適用して現在価値を算出
ロイヤリティ率の相場
業界によってロイヤリティ率の相場は大きく異なります。
| 業界 | 一般的なロイヤリティ率 |
|---|---|
| 医薬品 | 5〜15% |
| 電機・電子 | 1〜5% |
| 化学 | 2〜5% |
| 機械 | 1〜5% |
| 食品 | 2〜4% |
| ソフトウェア | 5〜15% |
価格交渉のテクニック
アンカリング効果の活用
最初の提示価格がその後の交渉の基準になるため、ライセンサー側は根拠のある高めの価格から交渉を始めることが一般的です。
バンドル交渉
単一の特許ではなく、関連する複数の特許やノウハウをセットで提供することで、全体の対価を引き上げることが可能です。
マイルストーン方式
一括払いではなく、事業化の段階に応じたマイルストーン方式の支払いは、双方のリスクを軽減します。
注意すべきポイント
- 移転価格税制への対応(グループ間取引の場合)
- ロイヤリティの最低保証額の設定
- 市場変動に対応するロイヤリティ見直し条項
- 不実施の場合の取り扱い
まとめ
特許の価格設定には唯一の正解はありませんが、客観的なデータと複数の算定手法を組み合わせることで、合理的な対価を導き出すことができます。PatentMatch.jpでは価格算定のサポートも提供しています。