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知財戦略ワークショップの進め方:半日で成果を出す実践プログラム

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この記事のポイント

知財戦略ワークショップの設計から運営まで。経営デザインシートを活用した半日プログラムで、自社の知財戦略を策定する方法。

「知財戦略が必要なのは分かるが、何から手をつければ良いか分からない」。多くの中小企業が抱えるこの悩みを解決するのが、知財戦略ワークショップです。本記事では、半日(4時間)で自社の知財戦略の骨格を策定できる実践的なプログラムを紹介します。外部コンサルタントに頼らず、社内メンバーだけでも実施可能です。


ワークショップの概要

目的

  • 自社の知的財産を棚卸し、現状を可視化する
  • 事業戦略と知財戦略を連携させる
  • 具体的なアクションプランを策定する

推奨参加者

役割人数役割
経営者/経営幹部1〜2名意思決定、事業方針の提示
技術責任者1〜2名技術の棚卸し、発明候補の提案
営業/マーケ担当1名市場ニーズ、競合情報の提供
知財担当(いれば)1名既存権利の情報、法務面のアドバイス
ファシリテーター1名進行管理(外部弁理士でも可)

合計5〜7名が最適です。

必要な準備物

事前準備:
□ 自社の特許・商標・意匠の一覧(あれば)
□ 事業計画書(中期経営計画等)
□ 競合他社リスト
□ J-PlatPatにアクセスできるPC

当日の物品:
□ ホワイトボード(または大判の模造紙)
□ 付箋(3色以上)
□ マーカーペン
□ 経営デザインシートのテンプレート(内閣府HPから無料ダウンロード)
□ タイマー

プログラム詳細

セッション1:事業環境の整理(60分)

目的:自社の事業を取り巻く環境を知財の視点から整理する

ワーク1-1:事業の強みと弱みの洗い出し(20分)

付箋を使って以下を書き出します。

【強み(青色の付箋)】
例:
- 独自の表面処理技術
- 特定分野での顧客基盤
- 30年の技術蓄積

【弱み(赤色の付箋)】
例:
- 特許出願の経験がない
- 営業秘密の管理が不十分
- 知財担当者がいない

【機会(緑色の付箋)】
例:
- EV化に伴う新市場
- 大手企業のオープンイノベーション
- 政府の知財支援策の充実

ワーク1-2:競合の知財動向の確認(20分)

J-PlatPatで主要競合3社の特許出願状況を確認します。

競合分析テンプレート:
| 競合社名 | 特許件数 | 主な技術分野 | 最近の注力分野 |
|---------|---------|-------------|--------------|
| A社     |         |             |              |
| B社     |         |             |              |
| C社     |         |             |              |

ワーク1-3:共有とディスカッション(20分)

各自の付箋をホワイトボードに貼り出し、グルーピングして議論します。


セッション2:知財の棚卸し(50分)

目的:自社が保有する(または保有すべき)知的財産を可視化する

ワーク2-1:知財マトリクスの作成(30分)

以下のマトリクスに自社の知財を整理します。

【知財マトリクス】

          | 既に保護済み | 保護すべき(未着手) |
----------|-------------|-------------------|
技術/発明  |              |                   |
ブランド   |              |                   |
デザイン   |              |                   |
ノウハウ   |              |                   |
データ     |              |                   |

ワーク2-2:優先順位の決定(20分)

「保護すべき(未着手)」の項目に対して、以下の基準で優先順位を付けます。

基準配点
事業への貢献度高(3) / 中(2) / 低(1)
競合による模倣リスク高(3) / 中(2) / 低(1)
保護の実現可能性容易(3) / 普通(2) / 困難(1)

合計点の高いものから着手します。


セッション3:経営デザインシートの作成(70分)

目的:内閣府が提供する「経営デザインシート」を使って、知財と事業戦略を統合する

経営デザインシートとは

内閣府の知的財産戦略本部が開発したフレームワークで、「これまで」と「これから」の事業を知財の視点から設計するためのツールです。

記入の手順

上段(これまでの姿)

1. 資源:自社の技術、人材、設備
2. ビジネスモデル:価値の提供方法
3. 価値:顧客に提供している価値

下段(これからの姿)

1. 資源:これから必要な技術、人材
2. ビジネスモデル:目指す価値の提供方法
3. 価値:これから提供したい価値

移行戦略

「これまで」から「これから」に移行するために必要な施策
→ ここに知財戦略が位置づけられる

ディスカッションのポイント

  • 「これからの姿」で競争優位を保つために、どの知財が必要か
  • 自社で開発するか、ライセンスで調達するか、共同開発するか
  • いつまでに何を出願するか(タイムラインの設定)

セッション4:アクションプランの策定(60分)

目的:具体的な次のステップを決める

アクションプランテンプレート

【3ヶ月以内に実施すること】
アクション1:______________________
  担当者:______  期限:______
  予算(概算):______

アクション2:______________________
  担当者:______  期限:______
  予算(概算):______

【6ヶ月以内に実施すること】
アクション3:______________________
  担当者:______  期限:______
  予算(概算):______

【1年以内に実施すること】
アクション4:______________________
  担当者:______  期限:______
  予算(概算):______

よくあるアクション項目

項目目安予算期間
弁理士への相談無料〜数万円(初回相談)1ヶ月以内
先行技術調査5〜30万円1〜2ヶ月
特許出願30〜80万円/件2〜6ヶ月
商標登録5〜15万円/件3〜12ヶ月
職務発明規程の策定10〜30万円1〜3ヶ月
秘密管理体制の整備社内コスト1〜3ヶ月

ワークショップ後のフォローアップ

月次レビュー

毎月1回、30分程度のミニレビューでアクションプランの進捗を確認します。

四半期見直し

3ヶ月ごとにワークショップの結果を振り返り、事業環境の変化に応じて知財戦略を修正します。

年次ワークショップ

年に1回、同じメンバーでワークショップを実施し、知財戦略を更新します。


無料で活用できる支援リソース

リソース提供元URL
経営デザインシート内閣府kantei.go.jp
知財経営の実践ガイドブック特許庁jpo.go.jp
知財総合支援窓口INPITinpit.go.jp
中小企業知財活用事例集特許庁jpo.go.jp

まとめ

知財戦略は一人で悩むものではありません。ワークショップ形式で社内の知見を集めれば、半日で実行可能な戦略の骨格ができあがります。経営デザインシートを活用して「これまで」と「これから」を可視化し、具体的なアクションプランに落とし込んでみてください。


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