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M&A知財チェックリスト — 買収前に確認すべき50項目

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この記事のポイント

M&A(企業買収)における知財デューデリジェンスのチェックリスト。買収前に確認すべき50項目を体系的に整理します。

M&Aにおける知財デューデリジェンスの重要性

M&Aにおいて知財は企業価値の重要な構成要素です。適切なデューデリジェンスを怠ると、買収後に特許紛争のリスクを抱えたり、期待した技術資産が使えなかったりするケースが発生します。以下に50項目のチェックリストを提示します。

カテゴリ1: 特許ポートフォリオの確認(15項目)

#チェック項目確認方法
1全特許・実用新案の一覧表を入手したか対象企業から提供
2各特許の登録状況(出願中/登録済/拒絶)を確認したか特許庁DB
3年金(維持年金)が適切に支払われているか特許庁DB
4各特許の残存期間を確認したか出願日から計算
5特許の権利範囲(クレーム)が事業をカバーしているか弁理士評価
6無効審判や異議申立の履歴がないか特許庁DB
7外国出願の状況を確認したか各国特許庁DB
8PCT出願の国内移行状況を確認したかWIPO DB
9分割出願・優先権主張の関係を整理したか出願書類
10発明者の確認と職務発明の対価支払い状況人事記録
11共同出願の場合、共有者との契約内容を確認したか共同出願契約
12特許の技術的価値の評価を行ったか外部評価
13特許マップ上での競合との位置関係を分析したかパテントマップ
14今後の出願予定・発明提案の状況を確認したかR&D部門
15休眠特許の有無と活用可能性を評価したかポートフォリオ分析

カテゴリ2: ライセンス契約の確認(10項目)

#チェック項目確認方法
16既存のライセンス契約一覧を入手したか法務部
17ライセンスイン契約のChange of Control条項を確認したか契約書精読
18ライセンスアウト契約の収入実績を確認したか経理部
19クロスライセンス契約の範囲と条件を確認したか契約書精読
20標準必須特許(SEP)のFRAND条件を確認したか契約書/SSO規約
21OSSライセンスの遵守状況を確認したか開発部
22ライセンスの排他性(独占/非独占)を確認したか契約書
23サブライセンス権の有無を確認したか契約書
24ライセンス料の未払いがないか確認したか経理部
25ライセンス契約の期限・更新条件を確認したか契約書

カテゴリ3: 紛争リスクの確認(10項目)

#チェック項目確認方法
26現在進行中の特許訴訟がないか法務部/裁判所DB
27係属中の無効審判がないか特許庁DB
28他社からの警告書の受領履歴を確認したか法務部
29自社から他社への警告書の送付履歴を確認したか法務部
30潜在的な侵害リスクのFTO分析を実施したか弁理士
31NPE(パテントトロール)からのリスクを評価したか外部調査
32知財保険の加入状況を確認したか法務部
33過去の和解・示談の内容を確認したか法務部
34輸入差止請求のリスクを評価したか外部弁護士
35営業秘密の漏洩リスクを評価したか情報セキュリティ

カテゴリ4: 商標・意匠・その他の知財(10項目)

#チェック項目確認方法
36商標の登録状況と更新状況を確認したか商標DB
37意匠登録の状況を確認したか意匠DB
38著作権の帰属を確認したか契約書/就業規則
39ドメイン名の管理状況を確認したかWHOIS
40営業秘密の管理体制を確認したかセキュリティ監査
41種苗法に基づく品種登録がある場合の確認農林水産省DB
42データベースの権利(不正競争防止法)を確認したか法務部
43各国での知財権の有効性を確認したか各国法調査
44ブランド価値の評価を行ったかブランド評価会社
45模倣品・海賊版の被害状況を確認したか営業部/法務部

カテゴリ5: 体制・コンプライアンス(5項目)

#チェック項目確認方法
46知財管理の組織体制を確認したか組織図
47知財関連の社内規程が整備されているか規程集
48知財教育の実施状況を確認したか研修記録
49外部弁理士・弁護士との契約状況を確認したか契約書
50知財関連費用の年間予算と実績を確認したか経理部

デューデリジェンスの進め方

タイムライン

フェーズ期間主な作業
予備調査1〜2週間公開情報ベースの調査
本調査2〜4週間資料開示・専門家分析
報告書作成1週間リスク評価・推奨事項の取りまとめ

知財デューデリジェンスは買収判断と買収価格の決定に直結します。このチェックリストを活用して漏れのない調査を実施しましょう。

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